昨日25日はアメリカの5月PCEデフレーター発表日でした。
そもそもPCEデフレーターとは?というのは記事本文で調査結果をまとめます。
冒頭では指数発表直後の動きとして一番印象的だったアメリカ債券利回りを見てみる。

上のグラフは実際のチャート画像から数値を手作業で読み取って自分で作り直した「手作りグラフ(概算値)」です。
そのため実際の正確な数値とはズレがある場合があります。
また、グラフの値は比較しやすくするために25日8:00時点での値を統一しています。
また、EDVの値動きと比較するためにグラフ中の時刻はアメリカ証券市場での取引時間に合わせています。
発表されたPCEデフレーターが市場予想とほぼ一致していたこととその他要因(記事後半で考察します)によって指数発表直後(グラフでは8:30~9:00)に一気に利回りが下落している。
その後の動きはデュレーションの短い債券ほど低い位置をキープしたのに反して30年債利回りは元の水準に戻っている。
ここでふと思い出したのだが、傾向は全く逆なんだけど債券利回りがデュレーションに応じて違った反応を見せたタイミングがあった。そう、6月17日のFOMC後である。

その時の債券利回りのグラフは以下の通り。

上のグラフは実際のチャート画像から数値を手作業で読み取って自分で作り直した「手作りグラフ(概算値)」です。
そのため実際の正確な数値とはズレがある場合があります。
また、グラフの値は比較しやすくするために17日13:00時点での値を統一しています。
この際はデュレーションが短い債券の利回りほど上昇しており、逆イールド!?などと聞きかじった言葉をブログに書いてみたりした。
後半で詳しく考察するけど、17日のFOMC後の利回りの動きも、25日のPCEデフレーター発表後の利回りの動きも景気後退を市場が見込んで生じたものだと俺は思っている。
同じ景気後退を見込んでいるのにデュレーションに応じた動きが真逆になっているのはなぜなのか?ここら辺を中心に今日は考察していくよ。
まずはPCEデフレーターについて調べてみた
PCEデフレーターとは
PCEとはPersonal Consumption Expenditures(日本語では個人消費支出)の略称。
PCEデフレーターとは家計が購入した材やサービスの価格変動を耀物価指標のこと。
デフレーターの語源は英語のデフレート(しぼませる)で「膨らんだインフレを縮める」という意味で使われている。
例えば物価が上がると名目上の金額は中身が伴っていなくても数字が膨らんでいく(これからの日本株もそうなるかも?)。「物価上昇によって膨らんだバルーン(名目値)から物価分の空気を抜いて元の正しい大きさ(実質値)に戻す役割」を担っていることからデフレーターと呼ばれているらしい。
PCEとは個人消費支出のことなので、その実質値であるPCEデフレーターは個人支出がGDPの約7割を占めているアメリカにおいて非常に重要な経済指標となっている。
CPI(消費者物価指数)と同様に総合値であるPCEデフレーターと、食品・エネルギーを除外したPCEコアデフレーターがあるよ。
PCEデフレーターとCPIの違い
「個人消費がGDPの約7割を占めるアメリカでは重要な指標だ」、このブログを始めてすぐのころ同じような文章を書いた記憶がある。CPIに関して調べた際の記事だ。

名前もよく似てるよね。
ただ、両者の違いは結構大きい。
調査範囲でいうとCPIが消費者が日常的に購入したものが対象なのに対して、PCEデフレーターは政府や企業が消費者のために負担した医療費なども含めて算出される。
また、商品の価格が上がった際に消費者が別の安い商品に買い換える行動を反映する仕組みがPCEデフレーターにはあるらしい。つまり、より現実に即した物価の動きがわかるということだ。
実際にFRBはPCEデフレーターのことをインフレ動向を判断する「最重要指標」としているらしい。ブログを始めて色んな指数を勉強してきたけど、とりあえずこいつが最強格ってことで良さそうだ。
アメリカ5月PCEデフレーター結果
2026年6月25日に発表されたアメリカの5月PCEデフレーターの結果は以下の通り。
PCEデフレーター前年同月比 前回 3.8%、今回予想 4.1%、今回結果 4.1%
PCEコアデフレーター前月比 前回 0.2%、今回予想 0.3%、今回結果 0.3%
PCEコアデフレーター前年同月比 前回 3.3%、今回予想 3.4%、今回結果 3.4%
いずれも市場予想通りの結果となっていた。
しかしながら前年同月比の絶対値は依然として高い。
PCEコアデフレーターでも 3.4% ということなのでFRBの目標インフレ率である 2% を大きく上回っている状況が続いている。
アメリカ債券の利回り考察
25日の利回りとWTI価格の動き

上のグラフは実際のチャート画像から数値を手作業で読み取って自分で作り直した「手作りグラフ(概算値)」です。
そのため実際の正確な数値とはズレがある場合があります。
また、EDVの値動きと比較するためにグラフ中の時刻はアメリカ証券市場での取引時間に合わせています。
WTI価格は$70.5を中心に±$1程度と非常に安定している。
よって25日の利回りに関しては原油価格の影響は排除して考えてよいだろう。
冒頭でも述べたがアメリカ債券の利回りはPCEデフレーター発表と同時に一気に下がっている。
PCEデフレーターの結果は市場予想通りとはいえインフレが収まる気配は見られていない。
通常なら利上げ観測によって利回りが上昇しそうなものだが下がっている。
これは長期的なインフレによる景気後退を市場が意識し始めたためと考えられる。
昨日の5月新築住宅販売件数の減少という結果も景気後退の観測を補強している。

景気後退観測によって利回りが減少したとして、その後はデュレーションが長い債券ほど利回りが上昇傾向であり30年債利回りに関しては3時間足らずで元の水準に戻っている。
デュレーションが長いほど利回りが高くなるのは通常だ(FOMC後の動きの方が異常)。
では何が要因で通常の動きをしていたのかを考えていく。
1-3月期四半期実質国内総生産結果と実質景気の底堅さ
実は25日はアメリカの1-3月期四半期実質国内総生産(GDP)の発表もあった。
前回 1.6%、今回予想 1.6%に対して今回結果は 2.1%と強い結果であった。
ここまでの結果から25日の市場の心理を予想してみる。
PCEデフレーター結果 ⇒ インフレ下がらねぇ!⇒ GDP結果 ⇒ あれ?でも実質景気は底堅い…?
⇒ 確かに景気後退リスクはあるけどすぐに崩壊する感じじゃねぇ!!(ソフトランディング)
こんな感じで市場は緩やかな景気の動きを想定して利回りも通常通りに長期債が上昇したと考察。
このソフトランディング織り込みによる長期金利の上昇はFOMC後の短期金利だけが上昇した状況と比較するとわかりやすい。
2026年6月17日のFOMC直後、ドットプロットで年内追加利上げが示唆されて債券市場は利上げ観測に大忙しだった。

上のグラフは実際のチャート画像から数値を手作業で読み取って自分で作り直した「手作りグラフ(概算値)」です。
そのため実際の正確な数値とはズレがある場合があります。
また、グラフの値は比較しやすくするために17日13:00時点での値を統一しています。
短期債はFRBの目先の利上げに直接反応するため大きく上昇し、一方で長期的には景気後退を見込んだ市場は安全資産として長期債を買い漁り結果としてデュレーションが長いほど値動きが抑えられたのだった。
25日のPCEデフレーター+GDP発表によるソフトランディング織り込みとは逆の、ヒステリックな反応だったと言える。
FOMCの際は「FRBの利上げ姿勢が無理やり景気を冷やすリスク」に市場の意識が奪われ、今回のPCEデフレーター+GDPの際は「物価が高止まりしてるけど景気も意外と強いから金利は簡単には下がらないだろう」というように、わりと冷静で現実的な視点に市場が戻ったのだと個人的には思っている。
やっぱりみんな急激な変化は嫌だということなんだろうね。
しかしながらFOMCの時みたいに、急激な変化を嫌がることによって急激な変化が起こるのが市場の面白いところですな。
【まとめ】結局25日のEDV値動きは?
長期債利回りが上昇傾向だったこともあり25日のEDVは始まり値からは減少傾向で前日よりは$0.2ほど下げて終了。VCITは安定しており前日より$0.1ほど上昇して終わった。

上のグラフは実際のチャート画像から数値を手作業で読み取って自分で作り直した「手作りグラフ(概算値)」です。
そのため実際の正確な数値とはズレがある場合があります。
30年債利回りはPCEデフレーター発表後に減少した後もとの水準に戻ったが、それ以上には上がらなかったためにEDVの値動きはほぼ無かった。
市場がソフトランディングを織り込み始め、原油価格は引き続き安定している。
一昨日の記事でも書いたけど、EDVはこのまま$65前後を定位置としてほしい、みんな急激な変化なんて望んでないんだからさ。まったり行こうよ (´・ω・)っ旦~
影響力の強い指数の報告が重なった6月25日だったが、結果的に俺のEDVとVCITはほぼ値動き無しということで少しホッとした。
もしPCEデフレーター結果が市場予想を上回っていたらしっちゃかめっちゃかになって記事をまとめきれなかったかもだからな……。
ということで俺のEDVは未だにしぶとく含み益!
このままあと30年くらい走りきってくれ!!
それではまた明日。

